アメリカ 「IDEX 2001」
2001年1月26日〜28日

■ IDEX (International Doll Expo.) 2001 http://www.webcom.com/idex/
  1月26日(金)〜28日(日) 於:米国サンフランシスコ・シビック・オーデトリアム

 全米で最大規模の国際ドールショーであり、ショップやギャラリーのオーナーやバイヤー、ディーラーが買い付けに来る展示会。出展作品の質・内容の高さには定評があり、量産品の他、限定版、一点もの等、高級品が集まる。また、人形だけでなく国際的に人気の高い高級テディベアのコーナーも多い。

 陽気でストレートな表現を好む国で、しかもテディベア等と同じ展示場で、この陰影のある堀さんの人形がどういう受け止められ方をするのか興味深かった。本当に人形の好きな人、眼の肥えた人の集まる場である。
 

 まず大抵の人が堀さんのブース(展示コーナー)の前で足を止め、目を見張り、息を呑む。引き寄せられるように近づいてくる人もいる。ある人は「あなたの人形はここではなく美術館にいるべきだ」と言い、「人形ではなく彫刻を見るようだ」と言う人もいた。

 あるオランダ人の人形専門雑誌記者は堀さんの作品に深く感銘を受けたと絶賛し、今回参加する機会のなかった「Doty & Toby Award」(投票と審査で決定される年間優秀人形作家に対する賞)に来年は是非ノミネートするよう参加方法を指示してくれ、スポンサーに強く推してくれた。アメリカの専門誌の編集責任者という女性も訪ねてきて、様々な機会に記事で取り上げたいので作品の写真を多数提供して欲しいと要請していった。

 同じ作家同士として堀さんに共感や好意、尊敬の念を表してくれる人も多くいた。ロシアの大きなギャラリーのオーナーである若い女性は、作品はもちろん、堀さん自身の人柄に親しみを感じたのか、一番に仲良くなりとりわけ親切にしてくれ、彼女のギャラリーの主宰する国際人形展に参加して欲しいと要請してくれた。

 しかし特に印象深かったのは子供の支持者の存在だ。出展者やディーラー、コレクターの親に同行してきたティーンエイジャーの子達、堀さんが多く題材とする「少女」達である。「かわいい」ものだけに惹かれるのでもなく、感受性のひときわ高い年頃である。
 オーストラリアからやってきた12才の少女がいた。父は彫刻家、人形作家で出展者である母親に付いてきた。何度か堀さんのブースにやってきて熱心に人形を眺めていたが、堀さんとは目を合わすわけでもなく、挨拶はおろか何の言葉も発することはなかった。
 恥ずかしがりな人柄で初めのうちはなかなか他のブースを訪ねる勇気がなかった堀さんが、やっと重い腰を上げ、あちこち見学して回り、その少女のいるブースに行ったとき、その子はとても嬉しそうな顔をし、堰を切ったように堀さんの人形がどんなに素晴らしいか、どういうところが好きか、一生懸命に話してくれたのだった。緊張と興奮の面持ちでまっすぐにこちらを見つめながら自分の言葉で語りかけてくるその姿は、けなげで何か心動かされるものだった。

 真に力のある芸術はあらゆる文化、年齢、思想等の壁を越えて人を魅了するものだ。堀さんの作品は1995年のイタリア交流展後、このIDEX2001が2回目の海外での展示である。そこでの反響を肌で感じ、今後の堀さんの世界を視野に入れた活躍を深く確信した。

saori


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