「邂逅」 倉敷美術館
2002年9月25日〜29日 inserted by FC2 system "); nwin.document.close(); return false;}
個展DM フライヤー
5日間開催 入場者数3000人
 

 

妖しく、懐かしいもの

 堀佳子の人形は、見たというより会ったという印象を与える。それは彼女の人形が
単なる姿形ではなく、一つ一つ感情を秘め精神を持った存在であるからだろう。決し
て生身の人間ではないが、相対した者に或る種の心の疼痛を感じさせる存在、それが
堀佳子の人形であるといっても差し支えなかろう。
 私は今回、「邂逅」なるタイトルが付いた展覧会場にて、以前から見知っている多
くの人形達と再会し、また新たに何体もの人形達と出会ったが、総じて私の記憶に強
く残るのは、「妖しさ」と「懐かしさ」を、より色濃く漂わせた人形達である。その
種の人形達は、もしかしたら、「妖しいもの」と「懐かしいもの」とが深い部分で繋
がっているという真理を、直截的な形で語りかけているのではないか。会場で人形を
見つめつつも、人形に見つめられていることを強く意識しながら、そんなことを考え
ていた。
 ひっそりとした沈黙の中で、こちらの心の動きを鏡のように映し出す堀佳子の人形
達。その前に立つと、暫し立ち去り難い心境に陥るのを如何ともし難い。或いは、こ
れも「妖しさ」と「懐かしさ」が織り成す魅惑的なあやかしの業なのであろうか。

原田隆光


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